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私が食道癌に⁉ Episode2

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【食道癌ステージⅢ】3軒病院をハシゴした末にたどり着いた大学病院

今回は、私が3軒も病院をハシゴした末にたどり着いた「最終地点」についてお話ししようと思います。

ありがたいことに、私が訪れた病院はすべて自宅から2km圏内にあり、移動にはそれほど困りませんでした。

病院にはそれぞれ提携先がありますが、最初に受診したのが広島大学病院だったこともあり、結果的に私が望んでいた「大学病院」が治療の着地点となりました。

自宅からも息子の高校からも近いこの病院で治療を受けられることになり、本当に運が良かったと思います。


【息子と二人三脚】母子家庭で挑む食道癌治療のリアルな選択と想い

大学病院での初診。受付で呼出し機を渡され、診察の順番を待ちました。呼び出されて診察室に入ると、電子カルテを見ていた医師が顔を上げてこちらを見ました。

これが後に私の主治医となるDr.Eとの出会いでした。

私の中では「大学病院の医師=高圧的で専門用語ばかり使ってくる」というイメージがあったのですが、E医師はそのイメージを完全に覆してくれました。分かりやすく丁寧な説明で、私の病状と今後の治療方針についてしっかりと説明してくれたのです。


抗がん剤治療を始める前に知っておきたいこと|主治医からの説明と家族の決断

E医師から伝えられたのは、以下のような事実でした。

  1. 食道癌であること。リンパ節への転移があり、ステージはⅢ。
  2. すぐにでも抗がん剤治療を開始し、腫瘍を小さくしたい。
  3. 抗がん剤を2回行い、その後すぐに手術を行う予定。

ただし、リンパ節への転移があるため、まずはPET検査で全身の状態を把握する必要がありました。しかし、大学病院内での検査予約が取りづらかったため、外部施設での予約を手配してくれました。

一方、治療は一刻を争う状況でした。すぐにでも入院して抗がん剤を開始する必要があると言われましたが、一週間の入院に息子のことが心配になりました。


【命の選択】息子の将来を優先した治療方針と母の決断

私がE医師にお願いしたことは以下の3つです。

  • 息子が社会人になるまでは、なんとしても生きたい。
  • 転移や余命の話が出た時は、息子と一緒に聞かせてほしい。
  • 延命治療は望まない。息子と一緒に過ごす時間を優先したい。

E医師はその気持ちを真摯に受け止めてくださり、治療のスケジュールも息子を最優先に考慮してくれました。

最初の入院は、息子が修学旅行で家を空ける12月13日に合わせてスタートすることに。入院前の内視鏡検査は11月30日、その日には学校が終わった息子を病院に呼び、E医師から直接説明してもらいました。


【がん治療体験記】乳がんの初期発覚とWがん診断に向き合う日々

実はこのとき、内視鏡検査の結果に加えて、超初期の乳がんも見つかりました。

私も息子も隠すことなくすべての情報を受け止めました。抗がん剤治療の内容、副作用、そしてその後の手術計画まで、E医師が誠実に話してくださったことが支えになりました。

「高校生には重すぎる」と思いつつ、母子家庭の私たちにできる最善の選択だったと、今では思っています。

こうして11月30日、息子が治療方針にサインをしたその瞬間から、私と息子の新たな生活が始まりました。

そして、次回は「抗がん剤治療」と、私の闘病生活を彩ってくれる「イケメン三銃士」についてご紹介したいと思います。

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